こんにちはKinjiです。
出刃包丁を使って魚を捌いていますか?本当に綺麗におろしたいのであれば今すぐ出刃包丁を使うのはやめて下さい。これから言うことを少しイメージをしてみて下さい。
苺、キュウイ、トマト、ロース肉のかたまり、キャベツの千切り、これらを切る時にどんな包丁を使った方が使いやすいかイメージして下さい。全て1種類の包丁ではなくて様々な種類や長さの包丁を想像なさったかも知れません。
では、次に先ほどの食材を出刃包丁を使って切るイメージをしてみて下さい。刃が先ほどイメージされた包丁の何倍もある厚みがあるかと思いますが、出刃は切りにくく、大雑把にしか切れないイメージになったのではないでしょうか?
結論を言います。魚や貝類をおろす時も同じです。繊細な作業には向いておりません。今すぐ出刃包丁から刃の薄い牛刀、筋引き、又は三徳包丁に変えておろしてみて下さい。それらの包丁を使って魚を下ろすとあなたは声を上げるくらい驚きを感じると思います。私も『これって、違いすぎる!』と思いました。手に伝わるダイレクトな感じを体験できます。
この刃の薄い包丁を使うことによりあなたが捌いた魚の身は、ツルツル、テカテカに光ってまるで耐水ペーパーで面慣らししたような綺麗なツルツル面の3枚下ろしが出来上がります。
それが出来るようになって営業中にカウンターで捌いた綺麗な魚の柵をお客さんの前で堂々と刺身の切り付けが出来るようになります。それと同時にその魚の柵を見る度、あなたは職人としての自信がみなぎって行きその自信が所作に現れていく事でしょう。
私(衛藤金治)は、18歳から40代まで、アメリカナショナル戦の最高峰のプロクラス、国内は全日本3年連続チャンピオンを獲得し、レース引退後、
銀座高級寿司業界に移り、星つきのお店「鮨かねさか」に就職して
下っぱから始め、その後シンガポール、マカオ、バンコク、NY、ドバイ等各星つき高級寿司店で働いて来た経験からお答えします。
この記事を読み終えると以下のことが分かります。
・ 魚をおろすのは出刃包丁よりも刃の薄い包丁の方が断然綺麗におろせる
・ 上級者が魚をおろす時に出刃包丁を使わない理由
・ NENOX筋引包丁は魚捌きに最適
・ 堺の刃物の歴史は600年
上級者が魚をおろす時に出刃包丁を使わない理由
私が働いていた銀座、マカオの星付お店では誰一人出刃包丁は使っていませんでした。皆薄い刃の包丁で捌いていました。これにもかなりビックリしました。上級者になればなる程出刃だと刃が分厚すぎて、魚の身を割いている時に手に伝わるダイレクト感を感じられないことに不満を感じて薄い刃の包丁に変える人が多いいです。
となった時に魚の身に包丁を当てた時にコンマ単位の骨から身を外す工程が出来ない。どうしても大雑把なミリ単位の作業になってしまいます。コンマ単位の仕事ができない。これがとても嫌です。
魚の骨って平面ではないです。生き物なので肉が付いていて肉は丸美を帯びていて、それに沿って骨が張り付いています。その微妙にアールの部分に出刃を当ても刃が分厚い為骨にピッタリと沿って身を剥がすことができません。
それを補ってくれるのが薄い刃の包丁です。材質にもよりますが、私の使っている包丁ですと刃がしなってくれて骨をしっかりとトレースしてくれてリリースしてくれます。
下記は、魚の神経抜きの代一任者の津本氏の長年使用している包丁紹介動画です。⬇️
魚をおろすのは出刃包丁よりも刃の薄い包丁の方が断然綺麗におろせる
ダイレクトな感じを得られないと嫌なもう一つの理由として、魚を3枚おろしをしていて、いつもほんの少しでも骨に身が残らない様にと思って捌いています。
身が勿体無いとかではなくて、最高に綺麗な状態に下ろしたい。仕上がりの表面が耐水ペーパーで研磨した様なツルツルで端はしっかりと角が立っている状態に。
それを求めているので、出刃包丁では手元に感覚が伝わりにくいのと刃が厚いから細かい箇所が今ひとつ丁寧に捌けないので最高な仕上がりにはならないと言う結論に達しました。
逆に薄い包丁を使って魚を捌くとどうなるかと言いますと、包丁の刃が魚肉のどの部分にどの様に切り裂いているかがリアルにシビアに手に伝わり、この先どう包丁を進めていけば良いのかが瞬時にわかります。そのシビアな感じが出刃と全く違います。
それが私が筋引包丁のような薄い刃で魚おろしをした方が良いという理由です。薄い刃の包丁に勝る魚捌きはないです。頭や骨、を断ち切るときだけ出刃か、若しくは捨て包丁みたいのがあればそれで骨を断つ様にした方が良いトポもいます。
三枚おろしにして柵取にしてしまえばどうせ切り付けするのだから三枚おろしでそこまでこだわる必要がないかと思うかも知れませんが、キリッと木製BOXのネタケースに柵取した魚が一列に並べてあるのをを見た時に、こだわって捌いた価値が分かるかと思います。
でもひとつこの薄い刃の牛刀や、筋引にもデメリットがあって、出刃みたいにしのぎの部分がないに等しいので初心者の方にとっては魚の身に当てる角度が掴みづら苦思います。そこが少し戸惑ってしまうかも知れません。これもいずれ慣れてきますので最初だけかなと思い
ます。
魚をおろすのに最適な包丁はこれ!
NENOX筋引230mm NENOX骨スキ150mm
左側 筋引き230mm 右側 骨スキ150mm
子の日包丁に関しましては詳しく解説している記事が下記にございますのでよろしければそちらもお読み下さい。
慣れますとカツオでもブリでもアジでも全て薄い包丁で出来る様になります。
の薄い刃の包丁の中でも、子の日包丁のNENOX筋引230mm、これがとても使い易くそして切れ味の持続性があります。それは何故と言いますと、材質と加工がいいからです。小肌や赤貝、などは小物類は、骨スキ包丁のNENOX骨スキ150mmを使っています。形状は出刃に似ておりますが刃の厚みが出刃の1/5くらいの厚みしかないです。
和包丁と洋包丁の違い
出刃包丁をできるだけ早く卒業して薄い刃丁に変える事をお勧め致します。
そうすれば、あなたの魚を捌く技術が間違いなく格段に上がります。
出刃包丁は和包丁、上記のNENOXは洋包丁この2点の違いを簡単に説明致します。
和包丁は片刃で、洋包丁は両刃になっています。
でもここ最近ではメーカーによっては和包丁でも両刃包丁を作っていたり洋包丁でも上記の骨スキ包丁みたいに片刃包丁を作っていたりしますのではっきりとkはっきりと区別出来る線引きがなくなってきています。
となrとなると見た目が和包丁らしいか、洋包丁みたいか、こんな感じの昨今だと思います。一般的には和包丁は片刃で、洋包丁は両刃と覚えていれば良いかと思います。
堺の刃物
日本は圧倒的に和包丁の製造の方が歴史が長いです。そして包丁と言いますと堺の刃物の歴史に右に出るものはないです。600年の歴史があります。その長い歴史を持つ堺の刃物生産は、15世紀に刀工を祖とする庖丁鍛冶集団が、加賀国(現在の石川県)から堺へ移住したことにはじまります。
しかし、そのいしずえには遥か古代の5世紀、日本最大の仁徳天皇陵古墳の築造によって培われていました。 くわやすぎなどの鉄製道具をつくる職人集団が堺に定住し、鍛冶技術が発達したと言われています。
堺ブランドは枝分かれをしていくつもの堺が頭文字が付くづランドがあります。国内のほとんどの鍛治屋、鍛造は堺だと思って下さい。独自で鍛治から製造をしている所もありますが、大体のところは堺の鍛治で作り上がった包丁みたいな形状をしている鉄の塊をお各々のオリジナル形状に成形しそして各々の技術を用いて刃をつけたり柄をつけたりしています。この殆どが和包丁です。
昔の和包丁は何がなんでも片刃だったのですが、ここ数年で和包丁での両刃のリクエストが増え作り始めたと言う理由であり、今は和包丁は片刃とは言い切れなくなりました。 洋包丁は日本に輸入されたのが明治時代前後でその後から国内で作られ始めたと言われます。
まとめ
⚪︎ 経験年数長い職人は出刃包丁を使う人は少ない
⚪︎ 出刃包丁は魚おろしにはベストではない
⚪︎ 子の日NENOX筋引包丁は3枚おろしに最適
⚪︎ 堺の刃物の歴史は600年国内和包丁のシェアが8割
⚪︎ 和包丁は片刃、洋包丁は両刃
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
また寿司関係の記事を書きますのでまたお越しください
ありがとうございました
Kinji